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’80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録 を読む

nipperのからぱたさんが推している一方、amazonで星一つのレビューもちらほら。自分がリアルにこの世代ではない自覚はあるので、どうしようかなぁと逡巡していたら図書館に入ってきてたので速攻で予約。3日くらいで読みました。

タイトルは「80’s」と書かれているが、実際には80年から84年の5年間がメイン。時間軸、あるいは作品軸に沿って二人が特に資料も少なめに対談していき、下の1/4くらいに小さいフォントでひたすら注釈が入っている。そして表紙にも書いてあるように図版は(本当に)一つも入っていない、という本。

…なので、たぶん当時を体感した人には「分かる!」という本だし、分からない人には「何を話しているか全然分からん」になる。その境目というのが、作品解説として挙げられている以下のTVアニメが、どれだけ分かりますか?というのは多分間違っていない。これは書いても大丈夫だろ(自分の備忘録にもしておきます)。

  • 機動戦士ガンダム
  • 伝説巨神イデオン
  • 太陽の牙ダグラム
  • 六神合体ゴッドマーズ
  • 戦闘メカ ザブングル
  • テクノポリス21C
  • 超時空要塞マクロス
  • 超時空世紀オーガス
  • 聖戦士ダンバイン
  • クラッシャージョウ
  • 装甲騎兵ボトムズ
  • 銀河漂流バイファム
  • 機工創世記モスピーダ
  • 特装騎兵ドルバック
  • 重戦記エルガイム
  • 機甲界ガリアン

…わかるレベルも「タイトル知ってる」「主役メカのデザインは」「ちょっとなら見た事ある」「大体見てストーリーも分かる」「俺にとってのバイブル」まで色々。もちろん後になればなるほど濃い。

因みに僕自身はガンダムはOK ((小6の時、「逆シャア」公開記念で深夜に放送された劇場版3部作でハマり、以降再放送を見続けることで補完))。初代マクロスは何となく知ってるけど映画観たかな?イデオンは子供の時に映画観てオーバーフロー ((年表の時系列と実年齢を合わせると小学校上がったくらい?よく見たな俺))。ゴッドマーズはなんか見た事あるぞ。ダグラムとザブングルとダンバイン、ボトムズ、エルガイム、この辺りは主役メカくらいは…、で後は知らん(バイファムは聞いたことあったな)。というくらい。でも読んでて、「え?ウォーカーギャリアってザブングルの後半主力メカなの?だからあんなにモデグラで騒いでたんだ・・・」というくらいの知識量である。

なにせ1976年生まれだから当時は4歳~8歳(小2か小3)。9歳年上のおじさんに引っ張られて「めぐりあい宇宙」とイデオンは映画館 ((嘘です。市民会館の巡回上映。当時はシネコンなんてもんは無く、市の映画館は全部潰れちゃったから1日限りの有料上映会があってそこに通ったんです)) で観たり、母親から「初代ガンダムはご飯の準備しているときに子守代わりにあんたに見せてた、料理の空き時間に観てたから大体分かる」というぐらい、本文中の言葉で言えば「サブロク世代」なので、このシーン(byあさのまさひこ)には直撃していないのです。なんせガンダムの本放送は覚えていないけどダイオージャは大好きだった記憶あるし、イタダキマン⇒ヤットデタマン⇒イッパツマンとか最高だったよね!あとはムテキングとかウラシマンのOP好きです。ってタツノコプロ派だったのか俺。…なんか小3くらいの時に一族旅行でバルキリー買ってもらったことあったな…あれは文中で語られているタカトクトイズなのだろうか。多分違うと思うけど。

そういう意味では、’80s(前半)に体感した「模型屋でプラモを買う楽しさ」を自分が体感したのはこの本でほんの数行書かれている、’80年代末から(ラジコン/ミニ四駆で模型店へ行くハードルが下がっていた前提で)ワタル⇒グランゾート⇒SDガンダム⇒宇宙世紀ガンダムOVAのラインになってしまうのです。あの時はキャラプラモはバンダイ、ちょっと子供向けがタカラ、あとはスケールモデルでタミヤとハセガワ、というのが僕の感覚だった ((そしてこのままFormula1という衝撃を受けて大人になっても模型店に通うようになり、F1グランプリ特集であさの氏の文章に触れることになる)) 。だから、この本に書かれているような複数の模型メーカーから毎週のように新製品が出る、という時代はやっぱり特殊だと思う…んだけど、翻って2022年の現在、バンダイからはガンダム以外の新作プラモも大量に出て、複数のメーカーから過去のアニメ含めて次から次へとロボットプラモが出るのは、自分自身の30年に及ぶ模型店通いでも初めての事なのかもしれない。まぁガンプラ買えませんが…

という訳で自分にはまったのか?と言えば当時の体験を人生の先輩が語り部しているようなモノで、歴史が好きな自分自身にとっては体験したことのない時代の追体験をした、という意味で楽しい書籍でした。とりあえずダグラムは観てみたい。最近は配信という便利なものもあるし。

うーん…でも1500円くらいが適当かな!自分自身で「最初と最期」って書いているのならば対談形式でなく、もっと裏取とかやった方が良かったとは思う。MS-Xって’84だよね…Ζの放送開始が’85なんだから、Ζの発表と被るんだったら’84じゃないと辻褄合わない、とか、たぶんそういう突っ込みはたくさんあるんだろう。あとは、’84頃からはファミコンブームがあり、明らかにお店も消費者もそっちへ傾いていったはずで、その辺りの記載が全くないのもちょっと考察不足。 ((逆シャアが映画になった理由も真因はそこなのかもしれないな‥‥)) そういう、あとちょっとのツッコミが足りないけどライトに読んで欲しい、という意味でKindle unlimitedにあるのは正しいのかもしれない。

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