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「「記録の神様」山内以九士と野球の青春」を読む

なかなかに興味深い本でした。

タイトルに惹かれたのですが、費用的にどうしようかと悩んでいたところ、図書館に置かれていたので喜んで借りました。

「山内以九士」という名前、またこの人がプロ野球の記録員、という事は何となく頭の隅に入っていたのですが、この本で色々なことが分かりました。

  • この名前は本名ではない
  • そもそも本名自体も1回変わっている
  • 元々は松江の豪商の跡継ぎ(!
  • そしてそのお店は彼の代で終わっている(!! ((まぁ、戦争もあったし…))

時代的には職業野球の黎明期。当時はまだまだイロモノだったことは色々な書物で語られているところでもあるし、やっぱり(選手ではない人は)ある程度金銭的にも余裕がある人じゃないと難しかったのでは、と推測できる。また正式に記録員を始めるのも人不足からで色々と黎明期という感じ。

氏の功績として挙げられているのが、打率早見表の「ベースボール・レコナー」の作成、そして1リーグ時代の成績の再調査、というところだろうか。確かに電卓のない時代、打率とか防御率とか、計算大変だっただろうから、役立つツールなのだろう…そう考えると最近のWHIPとかも計算面倒くさいと言われているけども、野球黎明期から野球を評価するための指標はそれなりに面倒なモノだったんだろうな、と再確認をしたのでした。

他方の1リーグ時代の記録の整理は、間違いなく現在にも有用なわけで、本にも挙げられている佐々木の完全試合が「およそ」という文字列で語られることが無いのは完全に彼の功績だな、と感心したり、本の後半で出ていた、「珍記録」の紹介とか、自分が子供の頃に読んだ本に同じようなモノが取り上げられていたので、もしかしたらこの人の話が元ネタかと思ったりしたのでした。

ところで、この本を執筆されたのが山内以九士の孫にあたる方で、それ故か写真も結構多く取り上げられていたのだが、「詳細不明」が割と多い…「特定班щ(゚Д゚щ)カモーン」な感じだが、2代離れるだけで色々な事が分からなくなるのだから、自分も子供のためにデータは色々と残しておくべきなのだなぁ、と思ったのでした。

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