砂まみれの名将-野村克也の1140日 を読む

ちょっと気になっていた本ですが、図書館にあったので借りて読みました

野村克也の本は数多あり、僕自身も「野村ノート」をだいぶ昔に読んだことがあります。ほとんどが野村さんの言葉あるいは文が綴られている印象ですが、この本はドキュメンタリー、シダックス監督時代の野村さんを追い続けていた当時の番記者がその期間の見た事や、関係者のインタビューなんかを通して、「野村克也において、シダックス監督時代はどのような意味があったのか」を考える本、だと思う。

もちろんノムさんがタイガースの監督を(妻の不祥事等で)辞任したことも、そのあとシダックスの監督に就任したことも、そのあとイーグルスの監督になった事は当然知っている。…が、確かにシダックス時代にどんな日常だったのか、はあんまり認識が無い。これを読んで(タイトルにも書かれているが)飛田給の味の素スタジアム近所の、少年野球で借りるような、屋根も何もないグラウンドがメインの練習場で、そこへ行くために新宿のホテルから通っていた、というのはこの本を読んで初めて知りました。当時はすでに東京暮らしだったんだから土地勘もあったはずなのに、アンテナを張っていなかったんだなぁ、と思った次第。

それにしても社会人野球というのは安定してそうで不安定な感じ。都市対抗に行くのが必須条件となり、そのためには優秀な戦力が必要だがあまりに優秀な人材はプロがドラフトという名前で引っこ抜いていしまう、選手はプロに行きたいのか、社会人野球までで社業に移りたいのか、ほかの休部したチームから来た選手、新人で取った選手とのバランス、会社はどれくらい投資してくれるのか…結構上から下からいろんなパラメータが来て大変そう。現実にシダックスの野球部は既に休部になっているし。そういえば、サッカーの場合移籍金の一定額が育成クラブに入るルールがあるけども、プロ野球の場合はどうなんだろう…?(まぁ文章中には、ドラフト前に色々便宜を図っている文章もあるので、その辺で相殺されているのかもしれない)

で、ノムさんのシダックス監督期間にどのような意味が(本人にも/周りにも)あったのか。
こればっかりは当事者しか分からないけれども、阪神の監督を辞めざるを得ず、たぶんその責任をサッチーが感じて、監督職⇒そのうちプロ野球の監督に復帰のシナリオを描いていたんだろうし、ノムさんはノムさんでシダックスというあまり色のついていない、プロ野球とは違った野球チームに自分の教えを純粋に入れるのはきっと楽しかったんだろうなぁ、という結論に至った。というか、本当に人に教えるのが好きな人だったんですね。

コメント