虹色球団 日拓ホームフライヤーズの10ヵ月 を読む

読んでみました。

筆者の長谷川晶一氏は、最近はヤクルト関連書籍でよくお目にかかるのだが(なぜスワローズの劇的勝利はドラゴンズが相手の場合が多いのか)、個人的に野球本ランキングを付けたらかなり上位に入る「最弱球団 高橋ユニオンズ青春記」1 も書かれていて(その時のエントリ)、本屋で見つけてかなり立ち読みしてしまったのだけど、図書館に入っていたので読んでみました。

あとがきにもあったけど、僕も子供のころ、野球関連の本にあった年表2 を見ていて気になった球団は、

  • 髙橋ユニオンズ/トンボユニオンズ(何故個人名?)
  • クラウンライターライオンズ(長くね?)
  • 日拓ホームフライヤーズ (日本ハムと関係あるの?)

…だった。二番目の本は何故か読んでないのですが、これは3番目の「日拓ホーム」に関する本。 僕がこの本で知りたかったのは、「どうして日拓ホームが誕生したか」「どうして1年で無くなってしまったのか」の2点だった。

そういう意味では、前者については発見が多かった、日拓ホームの前…東映フライヤーズの親会社=東映の経営が映画産業の斜陽化から厳しくなっていたんだろうなぁ、という想定はついたんだけど、そんな場所で買収が決まっちゃうんだ、とか、その密約何なのよ…という驚きがあった。大体買収が決まったのが年明けた後で正式決定がキャンプ入った後、って急すぎる。

しかし、「どうして1年で無くなってしまったのか」についてはちょっと消化不良。何となく、日本ハムの大社オーナーが、プロ野球界で力を持つ三原修と共に、大平正芳(!)まで使って手を廻して、気が付いたら日ハムの買収に応じざるを得なかったんじゃないだろうか…とさえ思える。日拓→日ハム買収会見で10分で退席したこと、それ以降、ほとんどプロ野球の話をしないこと、今回も取材申請をしても対応しなかったこと3 …なんとなく、未練が残っているのか、それとも買収前に聞いた話と実情が全く異なっていたのだろうか、こればっかりは分かりませんが。

それにしてもこの時代のパリーグは…黒い霧、前後期制(この年が初年度)、西鉄→太平洋クラブ(福岡野球クラブ)、ジプシー・ロッテ、そして日拓→日ハムへの短期移譲、よく6球団制が続いたな…2004年よりもよっぽど危険そうなキーワードがうろうろしている。逆にこういう危機が無いと、オーナーの業界が変わっていかないのかもしれない(70年代の映画→食品、00年代の鉄道→IT業界)

この本では、そういう買収以外に、実際の現場の話がメインになっていて、この時代のスター選手、張本さんはじめ色々な選手が語っている。その話を聞くに、何となくだけど、買収時期もあったし、この1年は「フライヤーズ」だったのだろう、そして「フライヤーズ」の空気では優勝できないと踏んだ「ファイターズ」がフライヤーズを徐々に分解して優勝した…んだろうなぁ、きっと。それにしても関東本拠地を必須としていた「日本ハム」が、真っ先に北海道に移転し、そこの実績が2004年の球界再編を救うというのは、世の中、何がどうなるか分かりません。

あと10年か20年したら、今度はマスコミ業界のオーナーがチームを手放す時代になるのかな…そのころドラゴンズはどうなっているのだろう。

ところで、次のターゲットはどこかな?ぱっと思いついたのはライブドア・フェニックスだけど…

ところでこの「3部作」、出版されている会社が全部違う…

  1. 今、タイトル確認のためにAmazon見たらKindle版が\315! []
  2. 当時は「横浜大洋ホエールズ」だったし「ロッテオリオンズ」だったし、「阪急ブレーブス」や「近鉄バファローズ」がいたのだが []
  3. この本読んで始めて知ったのだが、「日拓ホーム」は「日拓」に名を変えて、秋葉原とか、上野とかでパチンコホール経営してるんですな []
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