『「ウルトラセブン」の帰還』を読む

『「ウルトラQ」の誕生』、『「ウルトラマン」の飛翔』を読んだら、これも読まなくては。と、気づいたら図書館に入っていたので早速借りて読みました。

フォーマットは今までと同じで、「記録」から「推論」を進めていく形。だけど、今回は超一流の「記録」:円谷英二の日記が出てきました。あるなら出せよ!感が強いのですが、ある意味筆者が円谷プロに認められたのだから、今までの推論は当たらずも遠からずだったの…か?

さて「ウルトラセブン」である。セブンといえば、初期ウルトラシリーズの最高傑作と言われたり、大人向けのSFドラマと言われたり、高い評価を受けているのだが、同時に、初期ウルトラシリーズの最終作でもある(次の枠も円谷プロだけど、「怪奇大作戦」なので怪獣モノではない)。何故「ウルトラシリーズ」は(一旦)終わってしまったのか。明確にはテーマとされていないが、この本のテーマはこれなんじゃないかと思う。

ものすごく結果から言うと、「視聴率が低くなってきたから」なのだが、これは実は本当の理由ではない。視聴率は結果論なのだから。

という訳で色々な論が挙げられていて、今まで語られていたことも、そうでは無い事も語られている。新しい「記録」である円谷英二も非常に鋭い視点を見せていて、さすがだと唸らされる。ひとつ、自分があまり気づかなかったことを一つ上げると、「ウルトラセブン」のコンセプト(覚書)が、「ウルトラマン」のそれと比べると、明確さにかけてどっちにもとれる文章になっていたことだろう。これ、他の所でも紹介されていた記憶があるのだが、並べてみると、セブンをウルトラマンと無理に差別化した結果、ターゲットやコンセプトがブレてしまっているように取れる…というのは、割と気が付かなかった。

その他、当時のチャンネル権(懐かしい!!)を持っている人からすると、期待した怪獣が出てこないからつまらない、という話も、当時の年齢層に近い作者の肌感覚として語られている。といえど、「年長者向け」のお話が後に高く評価されるのだからわからない。

個人的には、怪獣デザイナーが成田氏から池谷氏に代わった理由が一番気になっていたんだけど、事実だけで理由がなかったのは少しがっかり。基本、文芸部と本編の話がメインで動いているので、特撮班側の物語については、おそらく、氏の書きたかった部分ではないのだろう。そしてこういう本でも全くかかれない12話…まぁ「協力:円谷プロダクション」だから仕方ないか。

ところで、「次回があるとすれば円谷プロの最高傑作とされるあの作品」って、やっぱり次の作品なんですかね…

この唯一の写真が(多分)最終回の画なのは色々と象徴的ですね

相変わらずコレも推しておきます。合わせて読むと色々と発見があるのです。

そして何が凄いかって、この原典が普通にオンデマンドで見られることですね。どれを見るか凄い悩むのですが…